消毒を繰り返すこと3ヶ月が過ぎたある日、素晴らしい血統のコリー犬の仔犬がいるので見て貰いたいと、獣医さんの紹介を受けた方から連絡があり、今か今かとその仔犬が連れてこられる日を待った。
連れて来られた仔犬は生後3ヶ月だったが、仔犬なのにガリガリに痩せて骨ばっていて、性格も暗くて仔犬らしさがなかった。これは無事育つだろうかと不安だったが、だからといって返すわけにはいかない。
引き受けることにして、フレップと名付けた。
後で分かったのだが、どうもペットショップの売れ残りのようで、早く大きくならないように食事の量をほんの少しにしていたようだった。
後日談であるが、獣医さんはどうもそれを知っていたようで、
「悪かったけど、あの仔は他では育たないと思ったので、お宅に押し付けた」
と言われた。どうもありがとう。
確かに素晴らしい血統のようだったが、どうしてそれがペットショップに行き、何故売れ残ったのかは謎である。
それでも何とか育って成犬となったが、幼児期に充分な栄養が足りていなかったせいか、胃腸が非情に弱くて、下痢の繰り返しであったし、しまいには血便まで出るようになって、あらゆる治療や食事療法を試みたが治らなかった。獣医さんもほとほと手をこまねいていた。
そんな日々が続いたある日、開け放しのドアーから生後6ヶ月くらいの仔猫が入って来た。
家の中にはフレップもいたし、1階には母の猫となったエリーとケンもいるが、まったく動じる様子もない。まるでず~っと我が家で暮していたかのようだ。
我が家にいたければそれも良いだろうと、文太と名付けた。
その後文太はフレップと仲良しになって、寝るときはいつも一緒の毎日だった。
数ヵ月後のある日、文太の容態が急変した。
獣医さんに駆け込むと、急性肝炎でしかも劇症だった。治療を受けた数日後、あっという間に逝ってしまった。
わずか数ヶ月の家族だったが、大らかで物怖じしない可愛い性格の猫だった。
フレップは二階の窓から道行く人に笑顔を振りまいていて、当時はまだ大型犬と家の中で生活を共にするという方が少なかったせいもあって、近所で人気者になった。
続きはまた明日
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