元太が我が家にやって来た最初の夏は、毎日のように元いた場所に通っていた。
バーベキュー場やケーキ屋さんのあたりは、昼間賑やかで楽しかったのかもしれない。
後で聞いた話だが、近くのペンションのベランダで昼寝をしていることもあって、そこのお客さんがてっきりそのペンションの猫だとばかり思って、部屋に入れたりしていたそうだ。
それでも必ず夜は帰ってきていた。たまには朝帰りもあったが・・・
外が大好きで、出せ出せと大騒ぎになるし、五郎はドアノブを操作して開けてしまう。
ドアもたくさんあるので、ちょっとした隙に出てしまうので、家の中に閉じ込めておくのは不可能だった。
いつも自由でいた元太だからその方が幸せだろうと、無理せず出入り自由にすることにした。
夏に彼が自由に出入りができるようにと取り付けた元太専用出入り口は、網戸を切り取って取り付けるタイプなので、寒くなってガラス戸を閉めてしまうと使えないないなぁ~と思っていた。
いつも網戸を使わないときは取り外して置くのだが、そのままにして置いたらプラスティックの猫用ドアーを彼はドアーノッカーとして使うようになった。
断熱のための寒冷地仕様の窓やドアーは音も遮断するので、元太が声をあげても聞こえない。
彼がこれを叩くと、網戸の内側のガラスに当たって大きな音がする。カタカタ カタカタカタカタ・・これで帰って来たのが直ぐに分かる。彼はそれを学習したようだ。
木登りは名人で、高いところまで登って行っても上手に降りてくる。
精悍な顔だったので、木の上にいるとまるで山猫のようだった。
元太を探せ
山猫のようだがハンティングは下手で、野鳥やネズミ、虫さえも捕まえたことがない。
運動神経は抜群なはずなのに、蝶々にもからかわれているようだ。
彼が来た年の春には庭の茂みの中で寝ていたこともあった。
五郎たちのボール遊びにも、このころから参加していた。
門柱の上もお気に入り場所。ここにいると前を通る人や犬に会えるからだ。
野鳥が来るのを待っているうちに彼は待ちくたびれて寝てしまったようだ。
それ以来、このバードフィーダーの上もお気に入りの昼寝の場所のひとつになった。
いつまでも飽きもせず外を眺めているのも好きだった。
また冬がやって来て、五郎たちの雪遊びにも参加。
まさかと思ったが積もった雪の上を走って追いかけて来た。
寒がりのえっちゃんと風子と日向ぼっこトリオ。
テラスで岩盤浴も大好き。
続く
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