『犬に本を読んであげたことある?』
タイトルでは、また犬を擬人化した物語かな?と思われるかもしれませんが、これは世界初の読書介助犬の物語で、おちこぼれの子供達が犬に本を読んで聞かせることで、自信にあふれた姿に変わっていくR.E.A.D(Reading Education Assistance Dog)プログラムの話です。
ソルトレイクシティー在住の看護士が、セラピードッグにしようとアニマル・シェルターから引き取ったオリビアと暮らすうちに、子供たちが本を読んで聞かせる相手にすることを思いつく。
おちこぼれの子供達は、うまく本を読めずに、冷やかされたり、注意されることを恐れて読書嫌いになっているが、相手が犬なら恥ずかしがらずに本を読めるのではないかと思いつき、図書館に掛け合って、チルドレンズ・ルームのイベントとして許可をもらう。
子供達は犬に本を読んで聞かせることによって、読書だけでなく自信をつけ学科成績もあがっていく。犬嫌いだった子も優しく犬と触れ合うことができ、犬たちと深い絆も生まれた。このプロジェクトは図書館のみならず、小学校でも取り組まれるようになるのである。
そして、読書介助犬第1号となったオリビアとの別れ、その時子供達は・・・
この成功で現在では、アメリカ、カナダで1000を超すボランティアの飼い主と読書介助犬が活躍しているという。なんと素晴らしい活動かと感動しました。
ITAが定める、R.E.A.D ドッグに必要な要素
●温厚で、静かな環境でも緊張せずにいられる。
●突然の乱暴な行為と遭遇しても、つねに冷静に対応できる。
●絶対服従できる能力があり、新しい命令(躾)も進んで身につける。
●突然の大きな音(学校のチャイム、おもちゃやなどから)も我慢できる。
●人形やクレヨンやごはんの食べ残しがあっても平気である。
●他に動物がいても冷静に振まえる。
補助犬がまだまだ満足に認知されていない日本では、読書介助犬は夢のまた夢でしかないのが残念です。